伊邪那岐と伊邪那美④|神生み。森羅万象に宿る神々の誕生。

2019年9月4日

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家、海、港、河の神々

現代語

国を生いえみ終わった伊邪那岐命と伊邪那美命は、次に神を生むことにしました。

まず始めに生んだ神のお名前は、

  • 大事忍男神(オホコトオシヲの神)

といいます。

次に、家に関係する神々をお生みになりました。その名は、

  • 石土豐古神(イハツチビコの神)
  • 石巣比賣神(イハツヒメの神)
  • 大戸日別神(オホヒトワケの神)
  • 天之吹男神(アメノフキヲの神)
  • 大屋毗古神(オホヤビコの神)
  • 風木津別之忍男神(カザモツワケノオシヲの神)

といいます。

次に海(うなはら)の神、その名も

  • 大綿津見神(オホワタツミの神)

をお生みになり、

次に水戸(みなと)の神、その名も

  • 速秋津日子神(ハヤアキツヒコの神)
  • その妹の速秋津比賣神(ハヤアキツヒメの神)

を、お生みになられました。

このように、伊邪那岐命と伊邪那美命とで、大事忍男神から秋津比賣神まで、合わせて十柱の神をお生みになりました。

原本

既生國竟、更生神。故、生神名、大事忍男神、次生石土毘古神訓石云伊波、亦毘古二字以音下效此也、次生石巢比賣神、次生大戸日別神、次生天之吹上男神、次生大屋毘古神、次生風木津別之忍男神訓風云加邪、訓木以音、次生海神、名大綿津見神、次生水戸神、名速秋津日子神、次妹速秋津比賣神。自大事忍男神至秋津比賣神、幷十神。

簡単な解説

神生みの始めに生まれた大事忍男神(オホコトオシヲの神)は、国生みという大事を成し遂げたことを象徴する神と解釈されるのが一般的なようです。

その次の6柱の神々は「家宅六神」と呼ばれる、家を構成する部位に宿る神とされています。

大綿津見神(海神)は、海幸彦山幸彦神話で大活躍しますので覚えておいてください。

速秋津比賣神は、大祓詞にも登場します。川上で瀬織津比売が罪や穢れを海に流し、海で速秋津比賣神(速開津比売)が呑み込んでくれるという役回りです。

ですので、祓いの神として祀られています。

港の神が生んだ神

現代語

この生まれ出た速秋津日子神と速秋津比賣神の二人が、河と海とをそれぞれ分けてお生みになられた神の名は、

  • 沫那藝神(アワナギの神)、沫那美神(アワナミの神)、
  • 頰那藝神(ツラナギの神)、頰那美神(ツラナミの神)、
  • 天之水分神(アメノミクマリの神)國之水分神(クニノミクマリの神)
  • 天之久比奢母智神(アメノクヒザモチの神)、國之久比著母智神(くクニノクヒザモチの神)

といいます。

速秋津日子神と速秋津比賣神の二人で、沫那藝神より國之久比奢母智神まで、合わせて八柱の神をお生みになりました。

原本

此速秋津日子・速秋津比賣二神、因河海、持別而生神名、沫那藝神那藝二字以音、下效此、次沫那美神那美二字以音、下效此、次頰那藝神、次頰那美神、次天之水分神訓分云久麻理、下效此、次國之水分神、次天之久比奢母智神自久以下五字以音、下效此、次國之久比奢母智神。自沫那藝神至國之久比奢母智神、幷八神。

簡単な解説

港の神が生んだ神々は、このあと登場することはないので、スルーで結構かと思いますが、

生まれた4組8柱の神々は、泡の神、水面の神、用水路の神、水を汲む瓢箪の神の、それぞれ男女の神です。

水分神は、神社に祀られることの多い神ですね。

風、木、山、野の神

現代語

さて、伊邪那岐命と伊邪那美命の二人は引き続き神をお生みになります。

  • 風の神、名は志那都比古神(シナツヒコの神)をお生みになり、
  • 次に木の神、名は久久能智神(ククノチの神)をお生みになり、
  • 次に山の神、名は大山津見神(オホヤマツミの神)をお生みになり、
  • 次に野の神、名は鹿屋野比賣神(カヤノヒメの神)をお生みになられました。

このカヤノヒメは、亦の名を野椎神(ノヅチの神)と云いい、志那都比古神より野椎神まで、合わせて四柱の神をお生みになりました。

原本

次生風神・名志那都比古神此神名以音、次生木神・名久久能智神此神名以音、次生山神・名大山上津見神、次生野神・名鹿屋野比賣神、亦名謂野椎神。自志那都比古神至野椎、幷四神。

簡単な解説

風の神志那都比古神は、伊勢の内宮別宮「風日祈宮」や外宮別宮「風宮」、大和の龍田大社に祀られています。元寇で敵を追い返したという「神風」は、「風日祈宮」の神が吹かせたとのことです。

大山津見神は、日本中の山を統括する神です。ちなみに、霊峰富士は娘の木花咲耶比売命に任せています。天孫降臨神話で活躍しますので、覚えておいて下さい。

鹿屋野比賣神は、草の神です。名前の通り「萱」を神格化したものと思われます。「萱」は、油分を含むので水をはじきます。そして軽い。屋根の材料として便利な植物です。

 

山と野の神が生んだ神々

現代語

この生まれ出た大山津見神と野椎神の二人が、山と野とに分けてお生みになられた神の名は、

  • 天之狹土神(アメノサヅチの神)、國之狹土神(クニノサヅチの神)、
  • 天之狹霧神(アメノサギリの神)、國之狹霧神(クニノサギリの神)、
  • 天之闇戸神(アメノクラトの神)、國之闇戸神(クニノクラトの神)、
  • 大戸惑子神(オホマトヒコの神)、大戸惑女神(オホマトヒメの神)

といいます。

大山津見神と野椎神の二人で、天之狹土神より大戸惑女神まで、合わせて八柱の神をお生みになりました。

原本

此大山津見神・野椎神二神、因山野、持別而生神名、天之狹土神訓土云豆知、下效此、次國之狹土神、次天之狹霧神、次國之狹霧神、次天之闇戸神、次國之闇戸神、次大戸惑子神訓惑云麻刀比、下效此、次大戸惑女神。自天之狹土神至大戸惑女神、幷八神也。

簡単な解説

この4組8柱の神は、なかなか難しいです。

一般的には、

  • 土の神、
  • 霧の神、
  • 暗い谷の入口の神
  • 窪地の神

とされます。

農耕に関係がありそうですね。

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