神世七代と呼ぶ
すべてで、八柱の神が現れました。
これらの八神は、乾坤(あめつち=陰陽)の道が混じり合って成り現れたので、男(をとこ)女(をみな)の性をお持ちの神です。
国常立尊から伊弉諾尊・伊弉冉尊までを、神世七代(かみのよ ななよ)といいます。
原文
簡単な解説
たったこれだけの内容で、一つの段を割くからには、第三段には大きな意味があると考えられます。
化生方法の違い
乾は陽、坤は陰。
天地開闢の際に現れた3柱の神は、乾の道だけで化生しました。よって純男の独神でした。
そのあとの8柱の神は、乾と坤の道が参じて混じり合って化生しました。よって男女ペアでした。
この化生方法とその結果の違いは何なのでしょうか。
とっても単純で恐縮ですが、
世界の始まりに現れた超・特別尊い神と、超特別尊い神の次に現れた特別尊い神に差をつけたかったから、化生方法や性別の有無で差をつけた。
というのが、私の中での結論です。
神世七代の意味
そして、第4段以降に生まれる尊い神との差をつけるために、「神世七代」というグルーピングをしたのでしょう。
ここまでと、これからは全然違うんですよ!と宣言する段と言えましょう。
第三段一書
ある書では、こう伝えています。
男女の性がある神は、
先ず、埿土煑尊(うひぢにの尊)と沙土煑尊(すひぢにの尊)とおっしゃいます。
次に角樴尊(つのくひの尊)と活樴尊(いくくひの尊)とおっしゃいます。
次に面足尊(おもだるの尊)と惶根尊(かしこねの尊)とおっしゃいます。
次に伊弉諾尊と伊弉冉尊とおっしゃいます。
樴は杭のことです。
原文
一書曰、男女生之神、先有埿土煑尊・沙土煑尊、次有角樴尊・活樴尊、次有面足尊・惶根尊、次有伊弉諾尊・伊弉冉尊。樴、橛也。
簡単な解説
第二段本文で述べられてきた4世代8柱の神々の明細が、第5世代だけ変更された異伝として、第三段の一書に記載されています。
変更になったのは、「角樴尊と活樴尊」。かわりに「大戸之道尊と大苫邊尊」がいなくなっています。
「樴は杭のことです。」とあるので、土台に杭を立てる神「家屋を象徴する神」と考えていいと思います。
ですから、進化のストーリー「土台→家屋→褒め合う(生殖機能の出現)→誘い合う」の流れそのものは変わっていないでしょう。
問題は、第二段の一書ではなく、第三段の一書に挿入された理由です。
だって、第三段は「ここまでの尊い神々を、神世七代というんですよ」と総括しましたから、どう見ても不自然なんです。
この謎をどう考えるか?ですが、私はこう考えました。
第四弾から伊弉諾と伊弉冉の国生みが始まります。初めて性の交わりによって生まれる神々のお話です。
その直前に「進化のストーリー」を再確認させて、ワクワク感を助長させようという意図があったのではないでしょうか。
映画の続編が公開される前に、前編がテレビ放映されるようのと同じ仕掛けを施した。
考えすぎでしょうか。。。
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