第五段 一書(3)~(5)|天吉葛・金山彦・花窟神社

2020年6月29日

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第五段 一書(3)

ある書では、このように伝えられています。

伊弉冉尊は火産靈(ほむすひ)をお生みになられました時に、その子の為に焼かれて神退(かむさり)なられました。または神避(かむさる)といいます。

神退される時に、水神の罔象女(みつはのめ)と土神の埴山姫(はにやまひめ)とをお生みになられました。又、天吉葛(あまのよさつら)をお生みになられました。

天吉葛は阿摩能与佐図羅(あまのよさつら)といいます。或は、与曾豆羅(よそづら)といいます。

 原文

一書曰、伊弉冉尊、生火産靈時、爲子所焦而神退矣、亦云神避。其且神退之時、則生水神罔象女及土神埴山姬、又生天吉葛。天吉葛、此云阿摩能與佐圖羅、一云與曾豆羅。

 かんたん解説

天吉葛(あまのよさつら)

一書(2)の「稚産靈」の位置に「天吉葛」が陣取っています。

古事記によると、「和久産巣日神(稚産靈)」が「豊宇気毘売神」を生むとあります。「豊宇気毘売神」は伊勢の外宮に祀られる「豊受大神」です。

ですから、古事記の和久産巣日神(稚産靈)の場所に天吉葛(あまのよさつら)を入れると、、、「天吉葛(あまのよさつら)」が豊受大神を生んだ、、、とも読めるわけです。

さて、豊受大神は、丹後の籠神社から伊勢に遷られたとされています。ですので、籠神社は元伊勢と呼ばれています。

そして、籠神社の奥宮「真名井神社」は「与佐宮」(よさのみや)です。そしてこの「与佐」が天吉葛(あまのよさつら)なのだと伝わっているそうです。

繋がりますね。

 

第五段 一書(4)

ある書では、このように伝えられています。

伊弉冉尊は火神軻遇突智をお生みになられました時に、その熱で体をこわして、嘔吐(おうと)されました。これが神となりました。金山彥(かなやまびこ)とおっしゃいます。

次に小便(ゆまり)が神となりました。罔象女(みつはのめ)とおっしゃいます。

次に大便が神となりました。埴山媛(はにやまひめ)とおっしゃいます。

 原文

一書曰、伊弉冉尊、且生火神軻遇突智之時、悶熱懊惱。因爲吐、此化爲神、名曰金山彥。次小便、化爲神、名曰罔象女。次大便、化爲神、名曰埴山媛。

 かんたん解説

この書では、伊弉冉尊の吐瀉物から金山彦が現れました。吐瀉物が鉱山の鉱脈に似ているからでしょう。

そして、小便から水の神、大便から土の神が現れるというように、具体的に記述されています。

 

第五段 一書(5)

ある書では、このように伝えられています。

伊弉冉尊は火神をお生みになられました時に、やけどでお亡くなりになられました。

その為、紀伊国の熊野の有馬村に埋葬申し上げた。ここの地の人は、この神の魂(みたま)をお祀りするために、花の季節に花を供えて祀り、鼓(つづみ)・吹(ふえ)・幡旗(はた)で、唄い舞いながらお祀りしている。

 原文

一書曰、伊弉冉尊、生火神時、被灼而神退去矣。故葬於紀伊國熊野之有馬村焉。土俗、祭此神之魂者、花時亦以花祭、又用鼓吹幡旗歌舞而祭矣。

 かんたん解説

この書には、亡くなった伊弉冉尊の埋葬地が和歌山県熊野市の有馬だと具体的に記されています。

熊野灘に面した巨岩を御神体として、伊弉冊尊が祀れています。花窟神社です。今でも年2回の例祭では、花が供えられ、かわいい巫女さんたちの神楽が奉納されるそうですよ。

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