第九段 一書(7)(8)|皇統の系譜(異伝)

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第九段 一書(7)

ある書では、次のように伝わっています。

高皇産靈尊(たかみむすひのみこと)の娘の天萬栲幡千幡姫(あめのよろづたくはたちはたひめ)[ある話では、高皇産靈尊の兒(子)の萬幡姫(よろづはたひめ)の兒(子)の玉依姫命(たまよりびめのみこと)と云う]が、天忍骨命(あめのおしほねのみこと)の妃となって、天之杵火火置瀬尊(あめのきほほおきせのみこと)を生みました。

ある話では、勝速日命(かちはやひのみこと)の子の天大耳尊(あめのおほみみのみこと)が、丹舃姫(にくつひめ)を娶って、火瓊瓊杵尊(ほのににぎのみこと)を生んだといいます。

ある話では、神高皇産靈尊(?)の娘の栲幡千幡姫(たくはたちはたひめ)が火瓊瓊杵尊を生んだといいます。

ある話では、天杵瀬命(あめのきせのみこと)が吾田津姫(あたつひめ)を娶って、火明命(ほのあかりのみこと)を生み、次に火夜織命(ほのよりのみこと)、次に彥火火出見尊(ひこほほでみのみこと)を生んだといいます。

原文

一書曰、高皇産靈尊之女天萬幡千幡姬。一云、高皇産靈尊兒萬幡姬兒玉依姬命、此神爲天忍骨命妃、生兒天之杵火火置瀬尊。一云、勝速日命兒天大耳尊、此神娶丹舄姬、生兒火瓊瓊杵尊。一云、神高皇産靈尊之女幡千幡姬、生兒火瓊瓊杵尊。一云、天杵瀬命、娶吾田津姬、生兒火明命、次火夜織命、次彥火火出見尊。

簡単な解説

皇統に通じる系譜上に登場する神々、すなわち、

高皇産霊尊 → 天忍穂耳尊 → 瓊瓊杵尊 → 彦火火出見尊

の伝承が、地方によって様々に伝わっていったのでしょう。

ここでは、

  • 天忍骨命・・・天忍穂耳尊
  • 天之杵火火置瀬尊・・・瓊瓊杵尊
  • 勝速日命&天大耳尊・・・天忍穂耳尊

と解釈していいと思います。

第九段 一書(8)

ある書では、次のように伝わっています。

正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊(まさかあかつかちはやひあまのおしほみみのみこと)が高皇産靈尊(たかみむすひのみこと)の娘の天萬栲幡千幡姫(あまのよろづたくはたちはたひめ)を娶って妃とし、天照國照彥火明命(あまてるくにてるひこほのあかりのみこと)を生みました。

この命は尾張連等(をはりのむらじら)の遠祖です。

次に天饒石國饒石天津彥火瓊瓊杵尊(あめ にぎ し くに にぎ し あま つ ひこ ほ の に に ぎ の みこと)を生みました。

この神が大山祇神の娘の木花開耶姫命を娶って妃とし、火酢芹命(ほのすせりのみこと)、次に彥火火出見尊(ひこほほでみのみこと)を生みました。

原文

一書曰、正哉吾勝勝速日天忍穗耳尊、娶高皇産靈尊之女天萬幡千幡姬、爲妃而生兒、號天照國照彥火明命、是尾張連等遠祖也。次天饒石國饒石天津彥火瓊瓊杵尊、此神娶大山祇神女子木花開耶姬命、爲妃而生兒、號火酢芹命、次彥火火出見尊。

簡単な解説

第9段一書(6)と同じく、瓊瓊杵尊の兄が登場します。(6)では「天火明命」でしたが、この一書では「天照國照彥火明命」となってます。

先代旧事本紀では、この神が物部氏の祖とされる饒速日尊と同一としています。

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