伊邪那岐と伊邪那美①|天地開闢|別天津神と神代七代

2019年9月4日

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別天津神

現代語

遠い遠い、真っ暗な大昔のことです。

この世界の一番始めに、天で御出現になった神様は、お名前を天之御中主神(アメノミナカヌシの神)といいました。

続いて御出現なさった神様は、

  • 高御産巣日神(タカミムスビの神)
  • 神産巣日神(カムムスビの神)

とおっしゃいます。

この御三方は、すべての物をお創りになる素になる神様で、御三方とも独り神で、すぐに姿を隠されました。

 

それからどれぐらい経ったのでしょうか。

やがて塊のようなものができ始めました。でも、まだまだ水に浮かぶ脂のようで、クラゲのようにフワフワと漂っています。

そんなとき、その脂のようなものの中から、葦が芽吹くように勢いのある物から、神様が現れました。

その神様のお名前は、

  • 宇摩志阿斯詞備比古遲神(ウマシアシカビヒコヂの神)
  • 次に天之常立神(アメノトコタチの神)

といいます。

この方々も皆様お独りで御出現され、すぐに姿を御隠しになられ、その後も姿をお見せになることはありませんでした。

以上の五柱の神様は、特別な神様で、別天神(ことあまつかみ)と呼びます。

原文

天地初發之時、於高天原成神名、天之御中主神訓高下天、云阿麻。下效此、次高御產巢日神、次神產巢日神。此三柱神者、並獨神成坐而、隱身也。

次、國稚如浮脂而久羅下那州多陀用幣流之時流字以上十字以音、如葦牙、因萌騰之物而成神名、宇摩志阿斯訶備比古遲神此神名以音、次天之常立神。訓常云登許、訓立云多知。此二柱神亦、獨神成坐而、隱身也。

上件五柱神者、別天神。

簡単な解説

造化の三神

別天津神の中でも、最初に現れた天之御中主神、高御産巣日神、神産巣日神の三柱の神々を「造化三神」と呼びます。

最初の天之御中主神は、中央アジアから朝鮮半島経由で日本に渡来してきた民族が信仰してきた神ではないかという説があります。

神宮外宮の多賀宮の祭神は、実は天之御中主神で、実は実はユダヤの最高神「ヤハウェ」であるというようなことも言われています。

2番目、3番目の、高御産巣日神と神産巣日神は、もともと一つの「ムスヒの神」だったものを、陰陽に分けたという説もあります。ムスとは「発生すること」でヒは「霊」。

独神(性別なし)ですぐに隠れたとされていながら、その後もちょいちょい登場します。

登場の仕方は、高御産巣日神が切れ者の参謀神産巣日神は優しいお母さんという感じ。まさに、男女に分けられているイメージですね。

 

4番目の宇摩志阿斯詞備比古遲神は、東南アジアの農耕民族が信仰した神ではないかとする説があります。河口の湿地帯で生い茂る生命力の強い葦を神格化したものです。

5番目の天之常立神は、東南アジアの海洋民族が信仰した神といわれています。

このように、日本にやってきた各民族の信仰する神を特別扱いの五柱の神として現れさせて、調和を図ったのかもしれませんね。

 

神代七代

現代語

その後、次々に御出現なさった神様は、

  • 国之常立神(クニノトコタチの神)
  • 豊雲野神(トヨクモの神)

現れては、すぐにお隠れになりました。

引き続き御出現された神の名は、

  • 宇比地邇神(ウヒヂチの神)と妹の須比智邇神(スヒヂチの神)
  • 角杙神(ツノグヒの神)と妹の活杙神(イクグヒの神)
  • 意富斗能地神(オホトノヂの神)と妹の大斗乃辨神(オホトノベの神)
  • 於母陀流神(オモダルの神)と妹の阿夜可志古泥神(アヤカシコネの神)
  • 伊邪那岐神(イザナギの神)と妹の伊邪那美神(イザナミの神)

でした。

この国之常立神から伊邪那美神までの12柱の神々は、神代七代(かみよななよ)と呼びます。

はじめの御二方はお独りで一代と数え、宇比地邇神から後ろの十柱の神々は、兄妹の御二方で一代と数えて、都合、七代と数えるのです。

原文

次成神名、國之常立神訓常立亦如上、次豐雲上野神。此二柱神亦、獨神成坐而、隱身也。

次成神名、宇比地邇上神、次妹須比智邇去神此二神名以音、次角杙神、次妹活杙神二柱、次意富斗能地神、次妹大斗乃辨神此二神名亦以音、次於母陀流神、次妹阿夜上訶志古泥神此二神名皆以音、次伊邪那岐神、次妹伊邪那美神。此二神名亦以音如上。

上件、自國之常立神以下伊邪那美神以前、幷稱神世七代。上二柱獨神、各云一代。次雙十神、各合二神云一代也。

簡単な解説

神代七代の3代目から、2柱ずつ対で現れるようになりました。ここらへんから陰と陽、男女の性別が分かれ始めて、7代目のイザナギとイザナミで完成されたように思われます。

  • 国之常立神と豊雲野神で、土地や原野ができ、
  • 宇比地邇神と須比智邇神で、砂や泥で土壌が改良され
  • 角杙神と活杙神で、土壌に杭が打たれ農耕の環境が整ったところで、

次は、男女の営みに話は展開していきます。

  • 意富斗能地神と大斗乃辨神で、男女の別がはっきりと表れ
  • 於母陀流神と阿夜可志古泥神で、「君かわいいね」「あなた、すごいわね」と会話が弾み
  • 伊邪那岐神と伊邪那美神で、「こっちにおいでよ」と結ばれる。

そんなストーリ―が見て取れるのです。

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