天照大御神と須佐之男命①|誓約(うけい)で子を生もう!

2019年9月4日

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弟がやってきた!

現代語

伊邪那岐大神から追放を言い渡された速須佐之男命(ハヤスサノヲの命)は、

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姉上に事の次第を申し上げてから根の国に行くとするか!

とおっしゃり、高天原に昇っていきました。

速須佐之男命が昇っていくと、山や川が轟き、大地が地震のように震えました。

天照大御神はこれを聞いて驚き、

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弟がやって来るのは、きっと正しい心からではなく、高天原を奪おうと思っているに違いない。

髪を解いて美豆羅(みづら)に結い直し、左右の美豆羅や左右の手には、勾玉が連なった玉の緒を巻き付け、背には矢が千本入る(ゆき)を背負い、脇にも矢が五百本入る靫(ゆき)を付け、腕には伊都之竹鞆(いつのたかとも)を付け、戦準備を整えました。

そして、弓を大地に突き立て、両足が地面にめり込むほどに踏みしめ、そして、硬い地面を沫雪(あわゆき)のように蹴散らし、雄たけびを上げて威風堂々と速須佐之男命を待ち受けました。

そして、叫びました。

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そなた、どんな訳があって昇って来たのかや!
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悪意があって来たのではありません。父上が、私が泣き続けている訳をお尋ねになられたので、『私は、妣國(ははのくに)に行きたいと思って泣いています』と答えました。

すると、大御神は『おまえはこの国にいるべきではない』とおっしゃって、私を追い出されました。

そこで、姉上に事の次第を申し上げ、暇乞いをしようと思ってやって来たのです。これ以外の意図はありません。

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ならば、おまえの心の正しさをどのようにして証明するのか!
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そういうことでしたら、お互いに宇氣比(うけひ)をして子を生むのはどうでしょう。

原本

故於是、速須佐之男命言「然者、請天照大御神、將罷。」乃參上天時、山川悉動、國土皆震。爾天照大御神、聞驚而詔「我那勢命之上來由者、必不善心。欲奪我國耳。」卽解御髮、纒御美豆羅而、乃於左右御美豆羅、亦於御、亦於左右御手、各纒持八尺勾璁之五百津之美須麻流之珠而自美至流四字以音、下效此、曾毘良邇者、負千入之靫訓入云能理、下效此。自曾至邇以音、比良邇者、附五百入之靫、亦所取佩伊都此二字以音之竹鞆而、弓腹振立而、堅庭者、於向股蹈那豆美三字以音、如沫雪蹶散而、伊都二字以音之男建訓建云多祁夫蹈建而待問「何故上來。」

爾速須佐之男命答白「僕者無邪心、唯大御神之命以、問賜僕之哭伊佐知流之事。故、白都良久三字以音、僕欲往妣國以哭。爾大御神詔、汝者不可在此國而、神夜良比夜良比賜。故、以爲請將罷往之狀、參上耳。無異心。」爾天照大御神詔「然者、汝心之淸明、何以知。」於是、速須佐之男命答白「各宇氣比而生子。」自宇以下三字以音、下效此。

簡単な解説

弟を待ち受ける天照大御神の様子が、面白いですね。

美豆羅

男が結う髪型です。頭の真ん中から分けて、両方の耳の横で束ねて、先の方を8の字に結います。神話の挿絵なんかで見る、あの髪型です。

そこに勾玉の数珠を巻き付けているのです。。。

靫(ゆき)

矢筒のことです。千本入りとか五百本入りとかいうのは、「沢山の」という意味と思います。

もしかしたら、神様のことですから、普通の人間よりもとてつもなく大きく描こうとしたのかも知れませんね。

しかし、矢筒を二つも体に括り付けている女神って、、、こわい、、、

伊都之竹鞆(いつのたかとも)

鞆とは、矢を射る時に腕を守るために巻く武具です。矢を射ると弦が鞆に当たり、高い音を発します。

伊都=神威が旺盛な様、
竹(たか)=植物の竹ではなくて高い音

で、「神が宿る、いい音を出す鞆」というような意味でしょう。

こんな出で立ちで、両足を踏ん張って雄たけびを上げている女神って、、、こわい、、、

宇気比(誓約:うけい)

誓約(うけい)は、占いの一種。

「ある行為」をする前に、「もし〇〇ならは、△△になる。もし□□なら、××になる。」と宣言をしてから、その行為を行って、その結果で占うというもの。

ですので、二人は、子を生むという行為をする前に、「女の子が生まれたら正しい心。男の子が生まれたら邪心を持っている。」と宣言してから、子を生むのが正しい誓約なのですが、、、

子を生む前に、その宣言をしていない、もしくは、しかたどうかわからないのです。

 

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